しきおりつづり

糸を組み合わせて布を作るように、文字を組み合わせて文を作る。しきおりつづり(織織綴)と申します。

数字に振り回されていた幼き日 『おとな小学生』

 

 しきおりつづりの織(しき)です。

 本日は、益田ミリさんの『おとな小学生』より、「大好きな時間」について綴ります。

 

 

 

書籍紹介

タイトル:おとな小学生

作家名:益田ミリ

出版社:ポプラ社

出版日:2013年2月20日

ISBN:978-4-591-13234-0

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益田ミリ『おとな小学生』

 

「大好きな時間」

 116頁からのエピソード。

 

 ちなみに、同じ本について綴った、前回の記事はこちらです。

shikiori.hatenablog.jp

 

今日の1ページ 

 

大嫌いな時間

 わたしは頭がわるいこだったので、テストの点数を見られるのがとても恥ずかしかったです。算数なんか半分以下が当たり前……。

 開き直ってしまっていたのか、そちらのダメージはあまりないのです。

 

 それより、ショックだった思い出があります。

 


 

 漢字のテスト。

 読みはまだなんとかなっていたものの、書きはダメダメで……。そのときのテストもよくない結果だろうなぁ……とおもっていました。

 

 先生がみんなの前に立って、なぜか紙の束をみんなに見せて、

「じゃあ、返していきます。」

 と、言った。

 

 周りからの視線を感じるよりも先に、わかってしまいました。

 一番上にあるのが、わたしの最悪な点数のテスト用紙だということが。

 

 目が悪くて、自分の名前も点数も見えなかったけれど、先生がわたしの名字を呼ぶよりも先に、おもわず立とうとしてしまったくらい。はっきりと。はっきりと、わかりました。

 

 だれよりも先にまえにでなければならないこの苦しみを、先生は理解してらっしゃるのですか。

 

 どうしてもっと点数の良い子の用紙を最初にしなかったのですか。

 

 いやがらせですか。

 わたし、先生に嫌われていましたっけ? わたしは基本的に先生方を嫌っていましたが。

 


 

 結局何点だったのか、おもいだせません。

 わるいことはさっさと忘れたのですね。

 

おわりに

 まさかこの記憶が呼び戻されるとはおもっていなかったので、びっくりしました。

 

 いまとなっては、そんなこともあったなぁ……とおもいますが、当時の点数というのは大きな存在。

 友だちにどうおもわれるか、親にどうおもわれるか、先生にどうおもわれるか。ちっぽけなその数字に振り回されていました。

 


 

 繊細なこころを持つ、幼き日のわたしよ、安心して。

 

 漢字の書きはいまだに苦手です。

 読みは得意のままです。

 

 たくさん読書して、たくさんいろんな言葉を知りました。

 

 いまは、わたしの中に蓄えたたくさんのことばを使って、いろんなことを綴っています。たのしいです。

 

 漢字は、パソコンが書いてくれるから、安心して。笑