しきおりつづり

糸を組み合わせて布を作るように、文字を組み合わせて文を作る。しきおりつづり(織織綴)と申します。

「戻りたい?」 『おとな小学生』

 

 しきおりつづりの織(しき)です。

 本日は、益田ミリさんの『おとな小学生』より、141頁の「こどものわたしから おとなのわたしへ質問」について綴ります。

 

 

 

書籍紹介

タイトル:おとな小学生

作家名:益田ミリ

出版社:ポプラ社

出版日:2013年2月20日

ISBN:978-4-591-13234-0

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益田ミリ『おとな小学生』

 

「こどものわたしから おとなのわたしへ質問」

 141頁のイラスト。

 こどもの益田さんとおとなの益田さんが、かごバッグを手に帰っていく後ろ姿が描かれています。

 

 ちなみに、同じ本について綴った、前回の記事はこちらです。

shikiori.hatenablog.jp

 

今日の1ページ

 

どこへ戻る?

 戻りたいような気がしてしまうけれど、どこへ?

 いつのわたしに戻るというのでしょう。

 

 とりあえず、マイナス感情のなかったあのころへ?

 純粋にサンタさんを信じていた、あのころへ?

 

 どこへ戻ってもわたしは、うまく生きられる気がしません。

 うまくいったとして、その人生はもう、「わたし」じゃない。それは前回でも綴ったことですけれど。

 


 

 そこまでいまの自分にこだわる必要なんてないのかもしれません。綺麗に生きられるのなら、そちらのほうが苦しくないでしょう。

 

 でも、こんなわたしでも、好きだと言ってくれる人がいるのです。仲良くしてくれる人がいるのです。

 

 不器用だけれど、それでも生き続けていたらいつの間にか、味方になってくれる人が現れました。すこしずつ。

 ありがたいことです。

 

 ならば、その人たちが受け入れてくれた自分でありたいです。

 自信を持つことはできないけれど。周りに人がいるという事実は胸を張ることができます。

 

 その人たちに恥じない自分でいたいです。

 

おおきくなって いいんだよ

 益田さんのことばはどれも優しいです。

 こういう風に言ってくれる大人が近くにいたら、どんなに安心したことでしょう。

 

 たぶん、益田さんも、大人にそう言ってほしかったのではないでしょうか。

 

「大丈夫」 と、自分で言い聞かせるのも大切ですけれど、他人に言ってもらえたらもっと心強いです。

 

おわりに

『おとな小学生』はここでおわります。

 

 最後のイラスト、「子どもの自分」と歩いていく姿を描いているのが、とてもいいなぁと感じます。

 過去の自分とともに、これからも歩んでいく。過去の自分があったから、いまの自分がある。

 

 みんな急に大人になったわけではないのだと、じわ~……とあたたかい気持ちが広がります。益田さんの絵と文は、そういう力があります。

 


 

 この本を読みながら、わたしはちいさなわたしに、なんて声をかけてあげられるだろう……と何度も考えていました。

  益田さんほど優しく、寄りそうことはできません。

 

 過去の自分の期待を裏切ってしまっている気がします。

 

 でもその分、ちいさなわたしが想像もできなかった、素晴らしい経験をしています。常に不安だけれど。でもたのしい。たのしくて仕方がない。

 


 

 ねえ、ちいさなわたし。

 なにも考えずにひたすら、好きなように読んで好きなように書いて。そうしてわたしになってね。

 

 あなたにもつらいおもいをさせてしまうけれど、その分、おおくのことを得るから。その保証はするから。

 

 わたしはあなたの未来を、これからも生きていきます。